ちゃんと受診してる? 女性約100人と女医に聞いた「健康診断の本音」と診断前のNG行動 – 文/小田原みみ、ママ女医ちえこ 再編集・Natsu | anan Beauty+

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皆さんは健康診断や人間ドックを毎年受けていますか? 定期的に受診すべきとわかっていても、忙しくてつい先延ばしにしてしまっているという人も少なくないはず。そこで今回は“健康診断”をテーマに、anan Beauty+ clubのメンバー約100人に聞いた「健康診断、人間ドック事情」と、医師監修の「健康診断前のNG行動」をご紹介します。

女性約100人に聞いた「健康診断、人間ドック事情」

女性の健康診断や人間ドック事情をリサーチ

毎年健康診断や人間ドックを受けていますか?

※anan Beauty+ club…美容・健康・エコ好きな女性たち約100名が集まるanan Beauty+の読者組織。

なんと、健康診断または人間ドックを年に1回受診しているかたは6割弱。ほぼ毎年受診しているというかたを合わせても7割ちょっとという結果に。労働安全衛生法のもと、会社は労働者に医師による健康診断の実施義務があるので、多くの会社員は1年に1回健康診断を受けているはずなのですが。

しかし、わざわざ時間を調整して受診しなければならないため面倒と感じたり、「もし病気が見つかったら…」との思いから尻込みしてしまったり、「また今度」と先延ばししているのかもしれません。また、主婦やフリーランスの人は自分で検診を申し込まねばばならず、「まだ若いから」「元気だから今年はナシで」と考えているかたが多い可能性もあります。コロナ禍の不安もありましたしね。

「ほとんど受診しない」と回答したかたに理由を聞いてみました。

「機会がないのと、面倒なので」(31歳・その他)

「会社員として働いていないため、自分で予約しなければならず、どこでやったら良いかわからずなかなかできません」(38歳・自営業)

「人間ドックは値段が高いイメージだし、健診は予約するのが面倒くさい。そして、どこで受ければいいいのかわからない」(34歳・専門職)

「会社勤めしていた頃は毎年受けていたが、子どもを産んだばかりで時間がない」(28歳・主婦)

このように、予約が面倒、時間がない、どこで受診するかわからない、と考えているかたが多いようです。

健康診断や人間ドックの予約時に聞かれる「選択」や「オプション検査」についても聞いてみました。まずは胃の検査。「バリウム」か「胃カメラ」のどちらかを選択せねばなりません。みなさん、どちらで検査しているのでしょうか?

胃の検査は胃カメラ? それともバリウム?

※anan Beauty+ club…美容・健康・エコ好きな女性たち約100名が集まるanan Beauty+の読者組織。

それぞれ理由も聞いてみました。
胃カメラ派

「バリウムが苦手だから」(41歳・会社員)

「胃カメラのほうが高精度と聞いたので」(37歳・契約社員)

「以前、鎮静剤を使用して胃カメラで検査を受けたらめちゃくちゃ楽だったので」(34歳・専門職)

バリウム派

「会社の健康診断のデフォルトがバリウムだから」(37歳・会社員)

「胃カメラにすると予約がとりにくいから」(39歳・自営業)

どちらとも受けたことがある筆者は、断然胃カメラ派。以前はバリウム派でしたが、精密検査で胃カメラで検査することに。その時に、想像以上に楽だったので(毎回必ず緊張しますが…)、以降ずっと胃カメラで検査をしています。バリウムでの検査は、発泡剤とバリウムを短時間で飲み込むのはしんどく、さらに検査台に乗った後、げっぷするのを我慢しつつグルグルと回るのは至難の業でした。

続いて「子宮頸がん」の検査について聞いてみました。

子宮頚がん検診について

※anan Beauty+ club…美容・健康・エコ好きな女性たち約100名が集まるanan Beauty+の読者組織。

なんと、9割近いかたが「子宮頸がん検診」を受診しているという結果でした。健康診断や人間ドックを毎年受けている、または、ほぼ毎年受けているというかたは全体の71%だったので、女性たちの子宮頸がんに対する関心の高さがうかがえます。

それぞれコメントを紹介します。

検査をしている

「かかりつけの婦人科で検査をしている」(39歳・自営業)

「数年前に、高度異形性で癌になる可能性があると診断され、半年に一度のペースで女性医師のいるクリニックで検診をしています」(37歳・契約社員)

「若くても子宮頸がんのリスクはあると聞いたことがあるから。自治体から送られてくる婦人科検診券で2年に1回受けている」(33歳・会社員)

「癌家系で心配だから」(35歳・会社員)

「知人で若くして子宮頸がんになった人がいるから検査をしている」(27歳・会社員)

検査をしていない

「検査をしたことがないが、しなければならないとは思っている。今度自治体の制度を利用して受けるつもり」(28歳・主婦)

「30代になってからでいいかな? と思っている」(27歳・会社員)

「検査しなければいけないと思いつつ、痛そうで怖いからまだしていない」(33歳・会社員)

子宮頸がん検診を受けたことがない人は、将来的には検査の必要性を感じているのが特徴的でした。定期的な検査で万が一のことを見過ごさないようにしたいですね。

続いて、「乳がん検査」について聞いてみました。

乳がん検診について

※anan Beauty+ club…美容・健康・エコ好きな女性たち約100名が集まるanan Beauty+の読者組織。

こちらは、7割弱のかたが受けているという結果に。コメントを紹介します。

受けている

「会社で受けられる健康診断の項目に入っているから」(34歳・会社員)

「あまり被爆しすぎるのも良くないと聞いて、数年に一回マンモグラフィ、毎年超音波の検査を受けてます」(37歳・契約社員)

「2年に1度、職場で検査していました。親戚が乳がんになってしまったので、早期発見の大切さを実感しています」(30歳・会社員)

「健康診断のオプションで数年に一度受けている」(34歳・会社員)

「胸に繊維腺腫というしこりがあるため毎年経過観察を兼ねて検診を受けている」(28歳・主婦)

受けていない

「40歳以下だと自治体の検診はないため」(27歳・会社員)

「気になっているが、自治体推奨は40代からなのでまだいいかなと思っています」(34歳・専門職)

「受けたいと思っていますがまだ受けられていない」(35歳・会社員)

子宮頸がん検査と同様、こちらも受診の有無にかかわらず「いつかは受けなけらばいけない」と感じているかたが多いように感じました。厚生労働省によると、子宮頸がんは20歳以上、乳がんは40歳以上でそれぞれ2年に1回の検査を推奨しています。お住いの自治体によっては、無料もしくは一部費用負担のクーポンがあるので、これらを上手に利用できるといいですね。

最後に、健康診断や人間ドック時の失敗談について聞いてみました。

「検診日は朝早いので、いつも寝坊遅刻との戦いです。タクシーに絶対乗っている気がします」(34歳・会社員)

「採血が苦手で気分が悪くなったことがある」(31歳・会社員)

「採血の時に怖がり過ぎて、ベッドを用意されるなどすごく手厚い対応を受けてしまった。倒れるとかではなく、血を見るのが苦手なだけだったので申し訳なかったです」(30歳・会社員)

「採血があると知らず、ハンバーガーを食べてから健康診断に向かったら、数値がおかしなことになった」(25歳・会社員)

「朝ごはん禁止なのに食べていってしまった」(35歳・会社員)

「バリウムでどうしてもゲップが我慢できず、3倍の量のバリウムを飲むことになった。その後気持ち悪すぎてトラウマ」(38歳・専門職)

採血にまつわる失敗談が一番多くありました。1年に1度の健康診断、体調を万全にして臨みたいですね。

※ 文・小田原みみ
※ 2022年5月14日配信

【女医監修】健康診断前の「NG行動」

NG行動1.健康診断まで絶食に耐えられるか不安で、時間ギリギリまで大量に食べてしまう

健康診断の前日の食事は、基本的に21時までに済ませなければいけないことはご存じかと思います。これは健康診断の項目が、空腹時に血液検査を実施した場合の基準で判定しているからですね。

なかには、絶食が長いとお腹がすくのではないかと不安になる人もいるかもしれません。ですが絶食前は、揚げ物や脂肪の多いおかず、主食が多くなるなど、負担になりやすいメニューは避けたほうが無難です。通常は絶食時間を守っていると消化されることが多いですが、あまりに食べすぎると消化が進まないことがあります。未消化の食物が胃に残っていると、胃の検査に影響してしまうことがあるため注意が必要です。

改善するためには…

普段よりも消化の良いものを摂取するようにしましょう。食べ放題や飲み放題、飲み会などはあらかじめ日程を調整して、健康診断とはかぶらないように工夫してください。また、食事後すぐに寝ると消化が進まず、胃に食物が残ってしまいやすいです。前日の夕食は早めに終えるのが望ましいですね。

NG行動2.飴やガムなどを絶食時間に摂取する

「健康診断の12時間前からは絶食」と言われても、ついつい飴やガムなどを口にしたくなる人もいるでしょう。固形物ではないため問題ないと思うかもしれませんが、糖分が含まれているので、血糖値に影響することがあります。また、腹部エコー検査がある場合は、胆のうがしぼんでしまい観察不良になることがあるので注意が必要です。

改善するためには…

飲み物は健康診断の2時間前まではOKとしているところが多いので、小腹がすいてしまった場合は、糖分が含まれない水やお茶などでまぎらわせるようにしましょう。

NG行動3.ビタミン剤などのサプリメントを摂取する

普段から健康のためにサプリメントを摂取している人も、健康診断の2日前からは控えておきましょう。特にビタミンCや総合ビタミン剤には注意が必要です。ビタミンCには強い還元作用があるため、尿検査でブドウ糖、潜血、ビリルビン、亜硝酸塩などが偽陰性になることがあります。偽陰性とは、本当は陽性なのに問題なしと出てしまうことです。

前日までのジュースや果物の飲食による影響は少ないですが、高用量でサプリメントを摂取している場合は、尿検査の2~3日前から中止しておきましょう。

改善するためには…

サプリメントであっても、種類や量、体質の個人差によって肝臓や腎臓へ負担がかかり、検査結果に異常が出てくることもあります。普段服用しているサプリメントがある場合は、健康診断のときに必ず伝えるようにしましょう。

NG行動4.健康診断で引っかからないように、直前だけ健康的な食生活にする

健康診断の結果は成績表のように、A判定、B判定……などとつけられるので、できれば全てをA判定にしたいと思う人もいるでしょう。特に血液検査などは、その一時点での数値を判定するため、直前の食生活が反映されて正常な数値が出てくるかもしれません。ただし、健康診断のそもそもの目的は、病気の早期発見と予防につなげることなので、直前だけ健康的な食生活に変えると健康診断の意味がなくなってしまいます。

改善するためには…

直前だけ健康的な食生活にできるのであれば、それを習慣化してしまいましょう。毎日の積み重ねがあなた自身の体を作ります。

NGポイント5.激しい運動をする

日常的な運動習慣があることは、生活習慣病の予防にも有用です。ですが、健康診断の前日にハードなランニングや筋トレをしてしまうと、尿検査や肝機能などの検査数値に影響が出ることがあります。また、プロテイン飲料は食事と同様の扱いになるので、検査前12時間の摂取は控えるようにしましょう。

改善するためには…

せっかくの運動習慣を中断したくない人は、いつもよりも軽めの運動にしておくと安心です。

NGポイント6.夜更かしをする

健康診断を控えて、緊張してなかなか眠りにつけないという人もいるかもしれません。ですが、睡眠不足は交感神経を優位にするため、血圧に影響する可能性があります。

改善するためには…

ついつい夜更かししがちな人も、健康診断の前日はカフェインなどの覚醒作用のある飲料を控える、寝る2~3時間前はスマホやパソコンを使用しないなど、良い睡眠が得られるように対策するといいですね。

※ 文・産婦人科専門医/ママ女医ちえこ
※ 2023年9月17日配信

健康診断の受診で健やかな毎日を

スケジュールを調整して予約を取ったり、受診前に気をつけるべきことが色々あったりと、健康診断に対して「面倒くさい」というイメージを抱く人も多いでしょう。でも、自分自身の健康を守るために健康診断は必要なもの。今回ご紹介した内容をぜひ次回の健診時に役立ててみてください。

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文/小田原みみ、ママ女医ちえこ 再編集・Natsu

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