【専門医監修】経血にまじる血の塊はなに!?原因&受診目安

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「いつも経血にレバーのような塊が出て気になる」

「血の塊はなぜ出るの?」

このような疑問や不安はありませんか?

結論からお伝えすると、経血に血の塊がまじることは、問題がない場合もあれば病気の可能性もあります。

今回は、経血にまじる血の塊の正体、受診目安について婦人科医の横倉恒雄医師とあんしん漢方薬剤師の木村英子さんに解説いただきます!

月経のメカニズム

ナプキン
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月経とは、受精卵が着床しなかった場合に厚くなった子宮内膜が血液とともに体外へ排出される生理的現象です。

女性ホルモンのエストロゲンが子宮内膜を厚くし、同じく女性ホルモンのプロゲステロンが着床準備を整えます。

妊娠するとそのまま出産するまで月経は来ませんが、妊娠していないことがわかると女性ホルモンが減少し、子宮内膜が剥がれ落ちるようになっています。

子宮内膜は、排卵されたことに伴って厚くなっていくのが特徴です。

無排卵で月経が来ないのは、この性質によるためです。

正常な月経とは

カレンダー
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月経期間が極端に短い場合は「過短月経」、長い場合は「過長月経」と判断できます。

たとえば、前者は1日や2日で終わったり、後者は10日近くあったりする場合です。

月経の正常期間は4~7日といわれています。

また、月経量が多い場合は異常と判断され「月経過多」と呼ばれます。

量には個人差がありますが、20ml〜140mlが正常範囲といわれています。

実際に計量するのは難しいため、まずは夜用のナプキンで漏れるかどうかで判断するといいでしょう。

不正出血とは、月経期間でないにもかかわらず出血が見られる状態です。

不正出血は病気が隠れている可能性が高いため、受診することが望ましいです。

次に月経が来るまでの期間も、月経が正常かどうかを判断する目安になります。

正常範囲は25~38日とされており、それ以上に短かったり長かったりすると、月経不順とされます。

なお、思春期や更年期前後といったホルモンバランスが不安定な時期は、月経周期も不安定になるため過度な心配はいりません。

経血に血の塊がまじる理由

エクスクラメーションマーク
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経血にまじる血の塊の正体は、一度固まった血液が酵素で再び溶かされて排出されたものです。

子宮内膜が通常よりも厚みがあり、酵素で溶かしきれない場合にも塊が出ることがあります。

しかし、頻繁に見られる場合は婦人系の病気が隠れている可能性もあります。

婦人科を受診する目安

デスクワーク
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婦人科を受診するか迷っている方は、以下の症状がないかチェックしてみましょう。
  • 血の塊が頻繁に見られる
  • 不正出血がある
  • 経血の量が多い
  • 生理痛が重い
上記いずれかに該当する場合は、早めの受診がおすすめです。

女性特有の症状には漢方薬もおすすめ

生薬
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女性特有の症状には漢方薬もおすすめです。

漢方薬は悩んでいる症状の改善を目指すだけではなく、根本の体質から見直すことができます。

女性特有の症状に用いられる漢方薬は経血や月経の悩みだけでなく、冷え、むくみ、イライラなどの婦人科系の幅広い悩みにも対応できるというメリットがあります。

<女性特有の症状におすすめの漢方薬>

桃核承気湯(とうかくじょうきとう)

滞った古い「血(栄養)」の塊を取り去り、体にこもった熱を冷ますことで、便通に働きかけます。
のぼせ、イライラ感、ふきでもの、月経不順・月経痛などの婦人科系不調に用いられます。

加味逍遙散(かみしょうようさん)

からだにたまった熱を冷まして血行をよくすることで、のぼせやイライラに働きかけます。
婦人科系機能を高めることで月経不順や月経困難にも用いられます。

桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

下腹部にたまった古い「血(栄養)」を取り除くことで、婦人科系の働きを整えます。
更年期障害、月経痛、月経不順、肩こりや冷えのぼせ、打撲、ふきでものなどのさまざまな症状に用いられます。


<漢方薬を選ぶ際の重要なポイント>

経血に関連するお悩みだけでなく、ホルモンバランスの乱れによる様々な婦人科系のお悩みに効果が期待できる漢方薬はたくさんあります。

効果を感じるためには体質を見極める必要があり、プロの診断が必要です。

また、体質に合わない漢方薬の使用は副作用を起こすリスクを高めるため注意しなければいけません。

安全かつ効果的に使用するためにも、薬剤師や医師など漢方に詳しい方に相談してから使用しましょう。

経血の血の塊以外にも不安がある場合は婦人科へ

通常、経血に混じる血の塊は、溶かしきれなかった血液が出てきているだけです。そのため、過度に心配する必要はありません。

しかし、ほかにも気になる症状があったり、頻繁に血の塊があったりといった異変がある場合は病気の可能性もあります。

不安がある方は婦人科を受診しましょう。

<この記事の監修者>

横倉先生
出典:あんしん漢方
横倉恒雄(よこくらつねお)医師
婦人科・内科・心療内科医

医学博士/医師)。
横倉クリニック・健康外来サロン(港区芝)院長。
東京都済生会中央病院に日本初の「健康外来」を開設。
故・日野原重明先生に師事。
病名がないものの不調を訴える患者さんにも常に寄り添った診療を心がけている。
新刊本『今朝の院長の独り言』(青春出版社)は10万人の患者が癒されたポジティブなメッセージに溢れていると話題に。



木村 英子(きむらえいこ)
あんしん漢方薬剤師

北里大学薬学部・東京大学大学院医学系研究科卒。臨床検査技師。
厚生労働省検疫所・病院にて公衆衛生・感染症現場を経て、インドアーユルヴェーダの権威ミーナクシ・アフジャ博士に師事。
対症療法ではなく体質を根本改善することの重要さを痛感し、西洋医学をベースに東洋医学からのアプローチを取り入れ、アロマやハーブを活用した情報発信を行う。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でもサポートを行っている。
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