看護師が選ぶ「本当においしい調味料」健康と地球にやさしいアイテム厳選 – 文・平野絢子 イラスト・宮本志保 | anan Beauty+

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女性たちが実際にやっている、身近なエコ活動をご紹介。143回目は、ecocoメンバーの伊藤有紀さん。今回はおすすめのエコな調味料をご紹介します。

環境に優しく使い勝手の良い調味料

©宮本志保

【最近やってるエコなこと】vol.143

スーパーなどの食料品店に行くと、たくさんの調味料が並んでいます。何を選んで良いのか、たくさんあると選ぶのも大変ですよね。今回ご紹介するのは、よく使う調味料「味噌」「醤油」「塩」のうち、原材料がシンプルで食品添加物を使用していないもの、昔ながらの製法で作られたものをご紹介します。

〈選ぶポイント〉

  • シンプルな原料で作られている(可能な限り、自然栽培・無農薬のもの)
  • 化学調味料など食品添加物が加えられていない
  • 工業的な製法で作られていない

伊藤さん 私たちのカラダは、食べるもので作られています。そのため、必ず裏の成分表示を見るように癖をつけています。塩には、精製塩と天然塩があり、「天然塩」がおすすめ。精製されていない天然塩はミネラルが豊富だからです。醤油は、製造方式が天然醸造で、原材料が丸大豆・小麦・塩のみのシンプルなもの。味噌は、製造方法が「速醸(そくじょう)法」と「天然醸造」の2種類あり、時間をかけて作られた天然醸造がおすすめ。原材料が大豆・米(麦)・塩のシンプルなものを選ぶようにしています。

福島屋の味噌

©伊藤有紀

450g ¥734
原材料:宮城県の在来種シロメ大豆、自家製ササ ニシキ麹、天然塩

伊藤さん 福島屋の味噌は、寒暖差の大きい飛騨高山の地で、昔ながらの杉樽で自然発酵熟成された味噌です。杉樽で仕込んだ味噌は、照り艶もよく、甘みがあってコクもあるのに後味はすっきり、お味噌汁はもちろんどんな素材とも合います。

©伊藤有紀

伊藤さん 杉樽は水分を保ち、通気性に優れており、旨味を作り出す乳酸菌などの菌が発酵するのに快適な環境を作りだしてくれます。じっくりと発酵させる味噌などの発酵食品の熟成に最適な環境なのです。
※1

土っこ田島 あやこがね味噌

©伊藤有紀

900g  ¥802
原材料:大豆(会津産あやこがね)、米(南会津産ひとめぼれ)、食塩(赤穂の天日塩)

 

伊藤さん あやこがね(大豆の品種)は甘味があるのにスッキリした味が特徴。甘みが強くやわらかな食感の会津産大豆・あやこがねと、採れたて新米の南会津産ひとめぼれとで作った無添加手づくり味噌です。長期熟成型の味わいが多い会津味噌の中で仕込み、半年の若々しい風味から、やがて熟成して深みを増す過程が長く楽しめる味噌です。具材を引き立てるためのみそ汁がオススメ。
ボイラーを使って簡単に蒸し上げる製造も多い中、昔ながらの薪仕込み製法で作っています。不思議と、この方がまろやかな味噌になります。
※2

国産有機醤油 機有るべし

©伊藤有紀

500ml ¥1,050
原材料:北海道産の有機大豆、北海道産又は兵庫県産の有機小麦、崎戸島の平釜塩「海はいのち にっぽんの海塩」

伊藤さん 国内の有機JAS認定農場の厳選した有機大豆・小麦を100%使用し、有機JAS認定蔵で醸す極上の醤油です。有機JASは3年以上無農薬・無化学肥料で土壌づくりに取り組み、その畑で採れた穀物がやっと認定を受けることができます。除草剤も使わず大変な手間ひまをかけ、生産性も低いなか、国内の農家のみなさんが苦労してつくる希少な大豆や小麦を使用しています。温度をかけず四季の自然の温度でゆっくり時間をかけて発酵させています。
素材の味を邪魔せず素材を引き立ててくれるので、料亭や一般家庭でも使いやすいお醤油。醤油の仕込みを体験できるワークショップを開き、従来の醤油造りを教えています。諸味を搾った後の残りカスの方に栄養がたくさんあるため、醤油カスを料理に使用したり、牛の餌や有機農家さんの肥料にも使っています。
※3

きあげ FUKUSHIMAYAオリジナル

©伊藤有紀

長期熟成二段仕込み
500ml ¥950
原材料:大豆(国産)、小麦(国産)、食塩(国内製造)

伊藤さん きあげとは、火入れ(加熱処理)をせず、搾ったままという意味です。長期熟成の二段仕込みは、半年かけて作ったきあげ醤油にもう一度麹を仕込み、更に半年間成熟させた醤油のことをいいます。
火を入れると香りが立ち、よりまろやかに、コクの出る味に。煮物、お吸い物はこれを使えば出汁がいらないほど。お肉は酵素の働きで柔らかくなります。

©伊藤有紀

福島県の安齋醤油が作るFUKUSHIMAYAオリジナルの商品です。通常の加熱処理を行わないので、ミネラル、乳酸菌が活きたままなのもポイントです。
※4

粟国の塩

©伊藤有紀

160g ¥648
原材料:海水(沖縄県粟国島)
製造工程:天日・平釜

伊藤さん 沖縄県粟国島の海水100%使用。粟国の塩はエメラルド色のさんご礁の海からくみ上げた海水を、採かんタワーに流し、風と太陽熱で7日間、昼夜休みなく水分を蒸発させ、平釜で煮詰めた後、脱水糟で乾燥させてつくられています。釜炊きとは異なり、天候に左右されるため、量産はできない貴重なお塩です。廃材の薪を燃やした平釜で煮詰めてミネラルを残し、脱水槽で、余分な水分を抜いて自然乾燥を行っています。
素材の旨味を引き出し、すべての料理、梅干、味噌、醤油などの加工品とも相性の良い粟國の塩。市販に流通している食塩は、塩化ナトリウムが99.9%のものがほとんどですが、バランスよくにがりが残るためミネラルが豊富なのです。
※5

浜御塩

©伊藤有紀

400g ¥594
原材料:海水(長崎県対馬)
製造工程:逆浸透膜、平釜

伊藤さん 海水のみを原料にして、伝統的な平釜で時間をかけて塩を結晶化させています。汲み上げた海水を、逆浸透膜を利用した海水濃縮設備を使って濃度を上げており、さらに塩職人が平釜で一昼夜煮つめながら塩の結晶化をさせます。結晶化した塩を絶妙のタイミングで、丁寧にざるに取り上げ、水分を切り、仕上げているのです。環境にやさしい塩づくりがしたいという思いから、平釜を炊くのに使用していた重油ボイラーからチップボイラー導入による生産方式へ変更されたそうです。旨味とかすかな甘味すら感じる「浜御塩」は、和食全般におすすめ。特に、焼き魚、おにぎり、煮物、漬物など。
※6

藻塩

©伊藤有紀

180g¥680
原材料:海水(日本海)、海藻(ホンダワラ、日本海)

伊藤さん 海藻(ホンダワラ)をじっくり煮詰め、その抽出液を笹川流れの塩と合わせており、風味豊かに感じます。ゆっくり丁寧に蒸散した海水を、平釜で結晶化させています。通常1トンの海水からは約30kgの塩が造れますが、時間をかけて結晶化するため、わずか18kgしか取れない貴重なお塩なのです。蒸気を利用した独自製法により、塩分濃度約3%の海水を3〜4日かけて、塩分濃度が20〜25%になるまで薪を焚いてゆっくり丁寧に海水を蒸散させ塩分を濃縮しています。でき上がった塩は雑味・苦味が少なく、まろやかな味わいとなります。そのため、肉料理と相性が良いです。また、お吸い物にもオススメ。海藻(ホンダワラ)の風味としっかりした塩味が食欲をそそります。
※7

【番外編】レッドホットチリペッパーソース

©伊藤有紀

200ml  ¥864
原材料:しょうゆ(大豆(国産)、小麦(国産)、食塩)(国内製造)、たまねぎ、ゆず果汁、粗糖、しょうが、にんにく、食塩、唐辛子

伊藤さん レッド・ホット・チリ・ペッパーズの大ファンである大徳醤油さんが、無農薬栽培の唐辛子を使って開発したチリソースです。このソースは、唐辛子の辛味とゆずのさわやかさ、天然醸造醤油のコクが絶妙に合わさった国産原料100%のピリ辛万能調味料です。BBQやグリル野菜にも合いますよ。醤油カスを再利用してチョコレートのお菓子も作っているそうです。

お気に入りの調味料を探してみよう

©伊藤有紀

いかがでしたか。シンプルな原料、製造方法などを知るとブランドのこだわりを感じ、より料理も美味しく感じます。皆さんもお気に入りの調味料を見つけて、おうちでの料理に取り入れてみてくださいね。

<紹介してくれた人>

伊藤有紀
看護師/ライター 
20代に2度無月経になり、栄養バランスを整えホルモンバランスを改善。自分のカラダを知り、整えることが大切だと気づき、食や妊娠する前に女性が知りたかった情報などを発信している。

<筆者情報>

ecoco代表 平野絢子
エコをテーマとし全国の女性を集めた団体「ecoco」を立ち上げ、身近にできるエコ活動、エコを通した地域活性とウーマンエンパワーメントを推進している。
また岡山県の観光特使として東京を拠点に行き来するデュアルライフを行いながら、せとうちの農園や市場、工場などに自ら足を運び、創り手の‟想い”を伝えるため、商品開発、営業、PRなどを企業と一緒に行っている。

文・平野絢子 イラスト・宮本志保

plus.ananweb.jp/eco/ecoco/110294

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