岡崎体育「なんでライブへ行くことが戦いやねん!」 “参戦”の使い方に疑問

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岡崎体育

SNSなどで最近よくみかける「何月何日○○会場参戦」という表明が気になっています。あれはいつから始まった言い方なのでしょうか。また、一体誰が言い出したものなのでしょう?

まず、そもそも「なんでライブへ行くことが戦いやねん!」と思います。自分が楽しみたいとチケットを取って自主的にライブへ来ているはずなのに。なんで戦(いくさ)に召集された武士の一人っぽくして、帝のために「参る」みたいな雰囲気を醸し出すのか。お前は武士なのか。なぜ大名を気取るのか。というか、ライブ会場は関ヶ原かなんかなのか…。いや、そんなわけはないはずです。少なくとも岡崎体育はみんなに楽しく、幸せで、気持ちいい時間を過ごしてほしいとライブをやっています。ライブに来たみなさんと戦おうとも、または、ライブ参加者同士でちょっと戦ってもらいます、とけしかけるような気持ちも全く持っていません。それを「いざ参戦」と言われても、なんか温度感違う? と常々思っていました。

いつくらいから言い始めたのか、説はいろいろあるみたいですが、ルーツはハードコア系のライブバンドの方々の激しいライブスタイルから由来しているようです。客を煽り、またファンがアーティストを煽り返すようなスタイルが売りのバンドがいるのも事実。そういうジャンルでは確かに「参戦」と言いたくなるのかも。でも、それが一般的に広く使われるようになってしまい、本来の言葉が持つ意味をみんなが考えなくなってしまった。辞書を読む番組をやっているから言うわけではないですが、やはり言葉は本来の使い方、言葉の持つ意味を知った上で使ったほうがいいです。美しい日本語を理解して使ってほしい。ライブに関しては、本当に「戦うな!」「ただ楽しめ!」と申し上げたいです。

これに近い言葉で「古参」「新参」という言葉もあります。これもファン歴の長さを競う言葉として使われていますが、この言い方ももうやめたらええのに…と思います。アーティスト側からすると、もういつから参ってようが、どっちでもええ! と正直思います。神社だってそうです。何年前から参ってようが、お賽銭いくらしようが、神様のご利益はみんな一緒。鈴鳴らして二礼二拍手一礼したら平等です。ライブ参加もそれと同じ! 今、ステージを観て楽しめていればもうそれだけでいいんです。

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※『anan』2024年10月30日号より。写真・小笠原真紀 ヘア&メイク・大矢佑奈(KIND) 文・梅原加奈

(by anan編集部)

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